
【米農家の倒産・休廃業・解散が過去最多 米づくりをあきらめる事態に】
現在、米の生産農家の倒産や廃業が相次ぐ事態となっています。東京商工リサーチによると、2024 年の米の農家の倒産・休廃業・解散は89 件に上る過去最多を記録し、2025 年はさらに多くの米農家が事業継続を断念する可能性があると懸念されています。 農林水産省の調査では、農業生産資材の価格が20 年平均に比べて1.2 倍に上昇、肥料は1.5 倍と特に高騰しており、米農家の経営に深刻な影響を及ぼしています。
米価格の上昇にもかかわらず、利益を出せているのは規模の大きな農業法人のみ で、零細農家は厳しい状況が続いている現状です。併せて、現在起きている米価格 の異常高騰により消費者への負担が大きくなっていることも課題としてあげられま す。 また米農家では就農者の高齢化や離農が進む一方、農林水産政策研究所の調査によると、7割を超える経営体が「農家経営を引き継ぐ後継者を確保していない」と答えています。次世代の担い手が見つからないなど、経営をあきらめないといけない状況が相次いでいます。
【収入支援で米農家を支える 福利厚生サービス「UCHINO」について】
ファストコムでは2018 年より誘致企業として拠点を置く秋田県鹿角市内にある 農家の協力を受け、全社員に毎月3 kgのお米を配布する福利厚生制度を始めました。2025 年には導入7 年目に突入し、複数の農家と連携する形で進行中です。また、制度を外部に展開するべく、2025年5月より福利厚生サービス「UCHINO」の 全国展開を開始しています。
契約農家に対しては、収入支援の観点から前払い制で委託料を支払い、栽培委託料は契約農家に決めていただく仕組みを採用しています。出来高制であり気候変動などによって収入の確約が難しい農業の苦悩を軽減でき、収穫量に左右されずに安定した収入を支えます。田植えの季節になると田植え体験を実施し、社員研修と組み合わせるプログラムも実施します。田植え体験はただの作業、研修ではなく、地元の農家との交流や自然環境に対する理解を深める機会となります。日々の業務とかけ離れた体験からは新たな視点を発見し、通常業務に取り込むことが期待されます。
また、ファストコムグループでは社員が消費しきれなかったお米は独自の”返納米制 度”として回収をし、子ども食堂や児童福祉施設など支援を必要とする場所へ寄付 をする等、社会貢献活動も実施しています。
【株式会社UCHINOの今後の展開】
ファストコム1 社から始まった「UCHINO」の活動が、今後100 社、1000 社と導入企業が増えることで、苦悩を抱える米農家を100 倍にも1000 倍にも支援できると考え、導入企業や個人の協業で複利的に支援の規模も大きくなると考えます。 また導入企業のCSR評価向上にも大きく繋がる制度となると考えます。 多くの農家の活力にしてもらうためにも、人道支援の規模を増やすためにも、「UCHINO」の導入企業を増やす活動を進めていく予定です。全国的な農業支援を推進することで、 企業の福利厚生の新しいスタンダードを確立することを目指しています。