本プロジェクトでは2025年の現地訪問時の状況を基に、アイシャの自宅に新たに仕事のための独立したスペースを建設することを目的にしています。
賛同する店・個人とこのためにオリジナルの返礼品を製作し、9月30日までの期間中、対面/オンラインでイベントを実施いたします。
SNSで見つけた可愛いトートバッグ

アイシャさんとの出会いはコロナ禍のSNSでした。
「めっちゃ可愛いカバン作ってる人いるやん」としばらく潜りファンをし、いざ「日本で販売しませんか?」とDMを送ると「いいよ」と即答。
2021年、それから日本向けのものづくりがスタートしました。

納期が安定せず、販路を見つけても間に合わない、という課題に悩まされつつも、
他にない一点物の組み合わせと落ち着いた色味のカバン、
細かいクロスステッチ刺繍と柔らかな色取りのポーチなど、アイシャさんの世界観や丁寧な仕事のファンになってくださる方も増えていきました。

2022年の初訪問
コロナ禍の渡航制限が落ち着いた2022年、私たちは初めてアイシャさんを訪ねることが出来ました。
2022年当時、アイシャさんは家族9人で住む自宅の玄関の片隅に布やパソコンを置いて作業しており、私たちとは庭で新商品の打合せを行いました。

「手狭だ」と苦笑いしながらも、仕事に情熱を持ち、自分で開拓したアップサイクルの布の調達先へ私たちを案内してくれるなど、商品が生まれるまでのプロセスを丁寧に話してくれました。


地域の女性たちを対象にビニール袋のリメイクワークショップを行う現場にも付いていったり、軍事侵攻があり町には4日間の短い滞在でしたが、
アイシャさんが目指したいもの、それは国境を越えて同じなんだということが実感できました。
2023年10月以降の状況と仕事場所の確保
2023年10月以降、パレスチナを取り巻く環境は大幅に悪化しました。
実際には2022年の訪問時から状況は悪く、帰国後も町が襲撃されたという知らせが入って来ており予断を許さない状況でした。
10月にメールで様子を尋ねた際のメッセージです。
「生活のすべての面が崩壊していっている。道路は危険で通れない。軍隊は昼夜町に侵攻してきます。私の不安は、事態が長引くこと、縫製する人が離れていってしまうことや輸出が出来なくなることです。また、ガザで起きていることが西岸でも繰り返されるかもしれません。ブランドを続けていけるか分からない。畳まないといけないかもしれない。それを最も恐れています」
2025年、再びパレスチナの作り手を訪問した私たちは、約3年ぶりにアイシャさんとも対面しました。
宿の部屋のドアをごんごんと勢い良く叩き、お母さんのご飯を差し入れに現れたアイシャさんはまたも笑顔を見せてくれ、私たちは2022年には行けなかった夜の旧市街に繰り出し、滞在中の予定を相談しました。
この時も縫製の様子を見せてもらったり、やはりご自宅の庭で新しい商品のイメージを共有してもらったり、その場でオーダーをしたりしましたが、その際、家の屋上を案内されました。
「ここにコンテナを置きたい」
とアイシャさんは言いました。
仕事場は玄関から離れの蔵に移り、ますます作業に適さない環境になっていました。
彼女を取り巻く制約は一つではなく、
- パレスチナが置かれてきた占領下の日常生活、経済活動
- 特にここ数年進む生活空間の縮小、移動の不自由
- 物価高騰、資材の少なさ
- 女性としてビジネスを継続する困難
- 家族との暮らしと仕事の両立
と様々です。
このなかで今回「仕事場所の確保」に焦点を当てたのは、他でもない本人からの希望でした。
アイシャさんに作業環境のこと、2023年10月以降のこと、事業が直面する沢山の困難について話してもらいました(YouTubeの動画に飛びます)。
このプロジェクトで実現したいこと
日々自分を取り巻く状況、自分の町や国を取り巻く状況がぐるぐると頭を巡る状況では、仕事に集中して納得のいく作品を生み出すことは簡単ではありません。
作業環境が整うことは、アイシャさんの心に安定をもたらし、クリエイティブに集中できることを意味します。
制作が進められれば、制約の中でも世界に向けて作品を送り出し、継続的な発注や関係性の構築に繋げることが出来ます。
その循環が増々事業の安定に繋がっていきます。
「文化という共通言語を通して世界の人達と交流し、私たちの物語を伝えたい」というアイシャさんの志を、これからも一緒に実現していきたいです。
実施方法について
仕事場所の確保の方法として「家の屋上スペースにコンテナを増築する」ことを予定しています。
集まった金額が工事費に満たない場合や、
現地の情勢の変化により代替案が最善と判断した場合は、
コンテナではなく、市内に事務所を借りるなどの手段を取らせていただく可能性がございます。
結びに代えて
中東パレスチナというと、長年築かれてきた印象から心理的距離を感じる人も少なくありません。ですが、実際に現地を訪れた身として、感じたこと、触れたもの、忘れられない人やもの、そうしたことを諦めずに伝え続けていくことが、小さなことに思えても、現地の暮らしを守ることに繋がると思っています。
アイシャさんの手仕事をこれからますます日本で届けていくことで、イメージを塗り替えていく一助となりたいと願います。