社員との絆を大切にする社風が、海外人材に居心地の良さを与えています。
バブル崩壊時に経営の危機を乗り切ったことをきっかけに、「社員は家族」という考えのもとで経営を行う当社。清掃や介護は不人気職種と言われているため、社員への感謝の気持ちから、誕生日会、家庭訪問、サンタに扮した社長がプレゼントを手渡しするなどの取り組みをしています。そんな当社は過去3年間の実績で、ベトナム人技能実習生を8名受け入れてきました。ベトナムの文化では、日本よりも家族や地域とのつながりが強いと言われているのが特徴です。そのためベトナム人実習生からは当社の「社員と会社が家族的な関係を築いている風土」に居心地の良さを感じてもらえていると考えられます。実際に、受け入れからこれまでの間で離職者が出ていません。
大切な子どもを預ける親の心配する気持ちは日本人もベトナム人も同じ。
従業員の実家訪問は、過去13年間にわたって会社で行われている恒例行事です。社員の家庭を訪問すると、家族に安心してもらえたのが印象的でした。ベトナムの家庭を訪問した時にも各家族から「うちの子はちゃんとやっていますか?」「ビシビシ指導してくれ」と言われ、大切な子どもを見知らぬ土地に行かせて働かせる親の心配な気持ちが共感できました。そんな海外人材をサポートするために当社では教育係として専任の社員を一人配置し、仕事面のみならず、生活面の支援も積極的に行っています(※1)。職種や国籍に関わらず、「自分の家族だったらどうするか」という思いで社員に接し、お互いに思いやりをもって社員間や会社との絆を築いています。
■注釈説明
(※1)海外人材に対する生活支援例
- 誕生日会イベントでは社員を寮まで迎えにいって全員がイベントに参加できるようにする。参加できなくてもWebで参加できるようにしたり、離れていてもその日にプレゼントを渡すようにしたりしている。
- 休日には、車がないといけない買い物に付いていき、生活面のサポートもしている。
- 夫婦で来日している技能実習生がおり、本人は大阪に、旦那さんは富山にいる。せっかく夫婦で日本にいるのに会えないのは辛いだろうからと、当社の社員が休みの日に二人を合わせる企画をして、社員2~3人で奥さんを富山につれていった。富山にいるほかの技能実習生と合流して大宴会になった。
- 里帰りした技能実習生が再来日する際に空港まで迎えにいった。
- 新たにインターン生を受け入れる事業所の日本人社員と丁寧に会話をする場を設けた。受け入れに対する不安を理解し、不安を解消できる方法を一緒に考えるなど、丁寧なフォローを行った。最初は現場の社員から不安な言葉しか出てこなかったが最後には「大丈夫です!」と言うまでになった。